時効援用のタイミング〜訴状が届いたらどうする
時効援用のタイミング〜訴状が届いたらどうする?〜
ある日突然、裁判所から「支払督促」や「訴状」が届いた――。
そんなとき、「もう10年以上前の借金だから時効では?」と思うかもしれません。
しかし、「時効かもしれない」と思っても、何もせずに放置すると非常に危険です。
今回のコラムでは、訴状が届いたときの対応と、時効援用との関係について解説します。
■ 裁判所から訴状が届いたら何が起こっているのか?
訴状や支払督促が届くということは、債権者(貸主)側が裁判所に対して法的手続きを開始したということです。
つまり、「あなたに対する借金を裁判で回収しようとしている」段階です。
放置してしまうと、自動的に「債権者の主張を認めた」扱いとなり、判決が確定します。
そして、その判決には10年の執行力が付与され、差押えなどが可能になります。
■ 時効が成立していても訴訟を起こされることはある?
はい、あります。
なぜなら、「時効は自動的には成立しない」「援用(主張)しなければ効力を持たない」からです。
たとえ最後の返済から10年以上が経っていたとしても、時効援用をせずに訴訟を放置してしまえば、判決が確定してしまいます。
この時点で「時効」は使えなくなります。
■ 裁判所から書類が来たときにやるべきこと
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内容を確認する
・債権者の名前
・借入れの内容(時期・金額)
・請求の趣旨
・提出期限 -
時効の可能性を検討する
・最後の返済日はいつか?
・債務の承認をしていないか?
・途中で訴訟・差押えなどがあったか? -
速やかに時効援用の対応をとる
→ 自分で通知書を出す、もしくは専門家に依頼する -
裁判所に「答弁書」を提出する
→ 「時効援用します」という旨を記載
→ 裁判所からの指定期限までに必ず提出
■ こんな対応はNG!
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「無視しておけば、どうにかなるだろう」
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「昔の借金だし、裁判所が勝手に時効にしてくれるはず」
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「難しそうだから、とりあえず放っておこう」
こういった対応をしてしまうと、判決が確定し、給与や口座が差し押さえられる可能性があります。
■ 専門家への相談が安心
時効援用は、タイミングと手続きが非常に重要です。
特に訴状が届いた場合、「すでに時間との戦い」が始まっています。
行政書士や弁護士など、法的手続きに詳しい専門家に相談することで、適切な対応が可能となります。
特に、訴状に対する**「答弁書の作成」や「時効援用通知の発送」**は、専門家に任せた方が確実です。
■ まとめ
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時効が成立していても、援用しなければ意味がない
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裁判所からの書類を無視すると、時効援用できなくなる
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必ず期日までに対応すること
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不安なときは、専門家に相談すること
「昔の借金だから大丈夫だろう」と思って放置すると、後悔する結果になりかねません。
もし、裁判所から書類が届いた場合は、すぐに内容を確認し、時効の可能性があるならすぐに行動を起こしましょう。