時効援用できなくなるケース
時効の中断(更新)とは? 援用できなくなるケースを徹底解説
はじめに
借金の消滅時効は、最後の返済や借入から一定期間が経過すれば成立します。
しかし、この時効の進行が「中断(更新)」してしまうケースがあります。
中断が起きると、それまで積み重ねてきた期間がリセットされ、再びゼロからカウントされることになります。
今回は、時効の中断とは何か、そしてどんな行為で中断してしまうのかを詳しく解説します。
時効の中断とは?
「時効の中断」とは、すでに進行していた時効のカウントが一旦リセットされ、再度ゼロから始まることをいいます。
たとえば、最後の返済から4年半が経過していた場合でも、途中で中断事由があれば、その時点からまた5年間(または10年間)数え直すことになるのです。
つまり、時効の中断は債権者にとって有利、債務者にとって不利な仕組みです。
主な中断事由
時効が中断してしまう典型的なケースは以下のとおりです。
1. 裁判上の請求
債権者が訴訟を提起した場合、時効は中断します。
判決が確定すると、その債務は10年間の時効期間に変わります。
2. 支払督促・差押えなどの法的手続き
簡易裁判所による支払督促、仮差押え、強制執行なども中断事由です。
3. 債務の承認
借金をしている本人が「まだ払います」と発言したり、分割払いの約束をしたり、一部でも返済した場合、債務を認めたとみなされます。
この「債務の承認」は非常に多い中断原因です。
よくある中断の落とし穴
■ 「少しだけ支払ったら時効が伸びた」
→ 1,000円でも支払えば、残りの全額について時効がリセットされます。
■ 「電話で払う意思を伝えただけなのに」
→ 記録されていれば「承認」とされ、時効は中断します。
■ 「裁判所から書類が来たのを無視した」
→ 判決が確定してしまい、10年の時効が新たにスタートします。
こうした落とし穴は、知らないまま対応してしまう人が多く、非常に注意が必要です。
中断を避けるために
借金の時効を成立させたい場合、以下の点に注意しましょう。
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安易に返済しない
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「支払います」と口約束しない
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裁判所から書類が来たら無視せず、時効援用を主張する
中断の有無によって、時効援用の可否が大きく変わります。
中断があったかどうかの調べ方
「自分の借金はもう時効かもしれない」と思ったとき、まずは中断事由がなかったかを確認する必要があります。
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訴訟や判決を受けた記録がないか(裁判所の記録で確認可能)
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過去に一部返済をしていないか
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債務承認につながるやりとりをしていないか
もし不安であれば、債権者から取り寄せた記録や通知を専門家に確認してもらうのが確実です。
まとめ
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時効の中断があると、カウントはゼロからリスタートする
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裁判・強制執行・債務承認が典型的な中断事由
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たとえ少額の返済や軽い発言でも中断になる可能性がある
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時効援用を検討する際は、中断の有無を必ず確認すること
借金の時効は「年数が経過すれば消える」という単純なものではなく、中断によって成立が遠のく場合があるのです。
「もう時効かも」と思ったら、必ず中断の有無を調べ、正しく援用手続きを行うことが大切です。
中断(更新)事由は時効の進行に大きくかかわります。長期間返済が出来ていない方は裁判が始まる前にご相談ください。
消滅時効援用でお悩みの方は是非ご相談ください。
時効が完成するか不安などなんでもご相談ください。



